胃腸炎になると、嘔吐に下痢・・・ツライですよね?
しかし、仕事を止めるわけには・・・と、体の心配に仕事の心配もしなくちゃいけませんよね?
そうなんです。
行かなくちゃいけないのに、行けない・・・復帰までどれくらいどれくらいかかるのか、目安だけでも報告できればと・・・。
欠勤が心苦しいとはいえ、感染性胃腸炎は感染力も強いので、そんな状態での出社は周りにとってはいい迷惑です。
仕事への誠実ぶりをアピールするところが、周りの人へうつしてしまえば、たちまち肩身の狭い思いをすることになるでしょう。
そこで、胃腸炎の時に、少しでも気持ちの負担をなくして休むにはどうしたらいいのかと悩んでいる方に向け
- 回復までの期間
- 診断書
- 知っておきたい制度
について、お話ししたいと思います。
胃腸炎の回復までどれくらいかかる?仕事復帰できるまでの期間は?
こちらの記事も併せてご覧ください。→胃腸炎のストレス性と感染性の違いとは?見分けることは可能?
感染性胃腸炎
ウイルスや細菌が病原体となって起きている胃腸炎の場合は、強い吐き気や嘔吐、下痢が繰り返されることがほとんどです。
感染力は非常に強いので、嘔吐や下痢があるうちは会社や学校は休みましょう。
個人差はありますが、嘔吐は2・3日で治まることが多く、下痢は1週間ほどで落ち着いてくるのが一般的です。
仕事内容によっても異なりますが(以下で説明します)、嘔吐がある間・下痢が激しい間は感染予防のためにも休むことをオススメします。
そういうことになります。
また、重篤な症状の出る細菌や、悪化して合併症を起こしてしまった場合は、入院など特別な処置が必要となり回復までにはさらに時間を要するでしょう。
- 元々疾患があり、体力が落ちていた方
- 乳幼児
- 高齢者
- ウイルスや細菌の量が多かった場合
などは注意が必要で、脱水症状にも注意しなくては行けません。
ただし、基本的には症状が落ち着いたら復帰は可能ですが、しばらくは糞便から病原体が排出されます。
多くの場合は2週間以内ですが、中には1ヶ月間もウイルスが検出された例もありますので、回復後も排便後の手洗いは念入りに行いましょう。
ストレス性胃腸炎
ストレス性であれば嘔吐は一時的なものが多く、吐き気や下痢に悩む症状が多いのではないでしょうか。
自身の胃腸の不調のみが原因ならば、感染する可能性はないため、出勤停止扱いとはなりません。
しかし、そもそもの原因である生活習慣やストレスなどを解決しなければ症状に改善が見られず、繰り返してしまうことが多くあります。
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胃腸炎の診断書は必要?
医師からもらう診断書には2種類あります。
- その病気になったことを証明する“診断書”
- 出席を許可する“治癒証明書”
です。
感染性胃腸炎は、インフルエンザなどの決まった出席停止期間があるわけではありませんし、学校保健安全法をとってみても、胃腸炎は出席停止処分の対象と決まっていません。
しかし、自治体や学校や職場によって、治癒して再登校・再出社する場合に「治癒証明書」を義務付けているところもありますので、確認をしておきましょう。
とくにそのような決まりのない場合は必要なく、学校のように、「出席停止の措置が取られた場合、診断書を提出すれば出席扱い」という会社は珍しいでしょう。
仮病の疑いをかけられるのがツライという心配もあるかと思いますが、診断書には数千円の費用もかかり、保険適用外となります。
ただし、食品を扱う職場などでは細心の感染注意を払う必要があるため、そういった診断書類が必要な場合もあるので、職場に問い合わせておくとよいでしょう。
先ほどもお話ししましたように、しばらく便からはウイルスが排出されるため、手洗い徹底を前提に、となるでしょう。
そして、体からウイルスが排出されるのには時間がかかるため、月2回以上の検便が必要となり、検査自体もすぐに結果が出るわけではないため(一週間ほど)治癒証明書を持って出勤許可というのは非現実的でもあります1)。
結局は、嘔吐と激しい下痢がおさまれば出席してよいものとされていますが、心配な場合はかかりつけ医に休むべき期間を相談するとよいでしょう。
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事前に確認!
- 会社で、出席停止と定められた疾患はあるのか?
- 「診断書」や「治癒証明書」が必要な場合はあるのか?
- 会社の出社停止、または医師から感染症拡大の恐れがあると診断された時の休養は、どのような扱いになるのか?
どんな場合に診断書が必要であるのか、事前に会社に確認しておくとよいでしょう。
いざ、診断を受けてからあれこれ手配をすると時間がかかります。
大学病院などは、その場で診断書をお願いすればそう時間もかかりませんが、一度診察が終わってから診断書をお願いすると、事務を通したり会計を通したりと時間を要するのもです。
また、会社から出席停止が定められている疾患はあるのか、その場合は出勤日数はどうなるのかなども知っておきたいですね。
医師から、感染の危険があると疑われた時の対処も確認しておくとよいでしょう。
参考文献:
消化器疾患ビジュアルブック P91〜93
ノロウイルス 現場対策P105〜108 1)108
最後に
胃腸炎で仕事を休むことについて不安に思われている方に向け、お話してきましたが、ここでポイントをまとめます。
- 感染性胃腸炎かストレス性胃腸炎かで、休むべきかどうか異なる
- 感染性胃腸炎の場合は、感染力が強いため、休む必要があり、回復までは個人差があるものの2・3日〜一週間ほど
- 症状が落ち着いたら復帰可能
- ストレス性の胃腸炎は、休むかどうかは体調次第ではあるものの、原因を解消しないと繰り返す
- 医師からもらえる診断書には、感染した診断書と治癒証明書がある
- 診断書が必要か否かは、職場によって異なる
- 事前に会社の決まりを確認
胃腸炎は嘔吐や下痢が激しいと、1日休んだだけではなかなか回復しない厄介な疾患です。
それに加えて感染力が強いとなれば、「診断書があれば精神的にも楽にお休みができる」と思いますよね。
しかし、決まった出勤停止期間もなく、会社が求める場合以外はあまり必要のないものだとおわかりいただけたと思います。
会社によって、どのような決まりがあるのか事前に確認して、不安なくしっかりと治療に専念したいですね。