胃腸炎の主な症状は、
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 発熱
- 胃痛
などです。
しかし、医療機関を受診し、
「水分補給が大切」
「脱水症状に注意」
と言われても、少しの水も受け付けず吐いてしまうのに・・・と思うことありませんか?
「吐いてしまうから、飲み物もいらない」
「飲まなければ、吐かずに済む」
これでは悪循環で、体はどんどん衰弱してしまします。
では、どのタイミングで、どれくらいとればいいのでしょうか?
また、胃腸炎の時に適した水分はあるのかも気になります?
そこで今回は、胃腸炎の時の水分補給について
- 水分の取り方
- 最適な飲み物
- 受診の目安
などをわかりやすく解説したいと思います。
胃腸炎の時の水分補給の仕方!
体外に排出される水分を逃すだけでは、体内の水分が減り、脱水症状となり点滴が必要になるのです。
そこで、胃腸炎の時にも食事はできなくても、水分補給が重要となるわけですが・・・
まず、この時に大切なのが、水分補給をするタイミングと量です。
水分補給が大事だからとただ口にしたのでは、かえって嘔吐を起こして逆効果になってしまいます。
- 始めの30分から1時間は、何も飲まない
- 4時間ほどして嘔吐がおさまってきたら、5分にティースプーン1杯の水分から
- 様子をみながら少量ずつ補給
吐いたら飲まない
まずは、吐いた直後は飲まないようにしましょう。
初めは、何を入れてもあふれるように嘔吐してしまうでしょう。
脱水症状が気になるからといってムリして水を飲めば、飲んだ以上の水分を吐いて逆に水分を失ってしまいます。
症状が強い初期は、30分から1時間は何も飲まず胃を休めましょう。
しかし、嘔吐すると口の中は大変不快ですよね。
そういう場合は、軽く口をゆすぐ程度にしましょう。
5分にティースプーン1杯ずつから
30分から1時間ほどたったら、少しずつ水分を補給していきましょう。
初めは、5分ごとにティースプーン1杯程度の水、できれば経口補水液を飲んでみましょう。
様子を見て、ペースと量を調整しながら補給し、100cc程補給したらまた胃を休ませましょう。
水分補給ができてくるとゴクゴク飲みたくなりますが、ここは我慢です。
一気に胃に入り込むと、嘔吐の原因になります。
吐き気が落ち着いてくる4時間くらいは、この方法を続けましょう。
せっかく補給した水分をムダにしないよう、辛抱強くゆっくりと摂取するのがオススメです。
[adsense]
胃腸炎の時の水分補給にはどんな飲み物がいい?
水分といっても色々ありますね?
どんな飲み物がよいのでしょうか?
先ほども少しお話ししましたが、飲む点滴といわれる「経口補水液」はオススメです。
飲む点滴「経口補水液」
適度な濃度のブドウ糖があり、ナトリウムの吸収が促進され効率よく水分を取ることができるのです。
主に水分が失われるスポーツなどと違い、嘔吐や下痢はナトリウムやカリウムなどの電解質が多く失われてしまうため、「経口補水液」が効果的なのです。
点滴が難しい年齢でも、また家庭でも器具や特別な技術を必要としないので、ぜひ取り入れたいケアです。
保険が使える「ソリタT顆粒」や、保険適用外ですがドラッグストアなどでも市販されている「経口補水液OS-1」や「アクアライトORS」がこれにあたります。
市販品は身近に手に入るものなので、常備しておくとよいでしょう。
《経口保水液のつくり方》
- 1リットルの水
- 砂糖大さじ4と1/2(20〜40g)
- 塩小さじ1/2(3g)
これをすべて混ぜれば出来上がりです。
飲みやすくするために、レモン果汁を少し入れてもいいでしょう。
ただし、家庭で作ったものは長期保存ができないため、その日のうちに飲み終え、必要に応じて作り足すことが大切です。
コンビニや、アマゾンなどで購入することも可能です。
スポーツドリンクは?
スポーツドリンクは、健康な人の水分補給に作られているものです。
スポーツなどで汗を流した時の水分補給には適していますが、脱水症状が心配される状況では、経口補水液に比べ電解質は少なく糖分は多いので、下痢を悪化させる可能性があります。
牛乳やジュースは?
栄養をとって元気をつけたいところですが、嘔吐を繰り返している状態では消化機能が追いつきません。
牛乳やジュースは、嘔吐がとまるまで避けましょう。
母乳は?粉ミルクは?
母乳や粉ミルクは、与えても問題ありません。
ただ、量に気をつけて慎重に与えることが大切です。
母乳は直接与えると量の調節が難しいので、搾乳をして調整しましょう。
粉ミルクは薄めたりせず、通常通りの作り方で与えても問題ありません。
[adsense]
こんなときはすぐ受診!
水分が取れないと脱水症状の危険性があるため、病院での点滴や、医師の診察が必要となります。
また、以下の症状がみられたら迷わず受診しましょう。
- ひどく元気を失い
- 意識がもうろうとしている
- 半日以上尿が出ていない
- 涙も唾液も出ない
- 舌、口が乾燥している
- 呼吸や脈が早い
- 血便や緑色のおう吐物がある
- 高熱
- 水分補給ができない
このような症状があると、脱水症状が進んでいたり、特別な処置のいる可能性が高いです。
重篤になる前に受診しましょう。
別の病気の可能性
水分もとっていないのに嘔吐がいつまでも止まらない・・・など、おかしい症状がみられたらすぐに受診しましょう。
- 腸重積症
- 急性虫垂炎
- 睾丸捻転
- 急性腎盂腎炎
- 細菌性髄膜炎
など、嘔吐を初期症状とする他の病気の可能性も考えられます。
最後に
胃腸炎時に知っておきたい、水分補給について、ポイントをまとめます。
- 胃腸炎時に水分補給をしないと、脱水症状となり点滴が必要になる
- 水分補給の仕方で大事なのは、始めの30分から1時間は、何も飲まない・4時間ほどして嘔吐がおさまってきたら、5分・ティースプーン1杯の水分から・様子をみながら少量ずつ補給
- 経口補水液が最適
- スポーツドリンクやジュース類は逆効果
- 赤ちゃんは、授乳やミルクを飲んでも問題ない
- 異常を感じたら受診
どんなものを、どのタイミングで、どれくらいとるのかは、症状を悪化させないためにも重要になります。
様子を見ながら上手に水分補給をし、それでも改善しないなど異常がみられたら、すぐに受診をしましょう。