子供の下痢で病院に行くタイミングの判断は?
子供が下痢をしたとき。どのタイミングで病院に行ったらよいのか迷いますよね。
子供が泣いたりぐったりすると何か心配な病気ではないのか不安は高まります。最近は不安感に左右されて様子をみるより先に何かと病院に連れていく傾向が多く見られるようです。
下痢症状がひどい時こそ診察を受けたい気持ちはありますが、一番つらい時に連れ出すことは子供にとっても親にとっても容易ではありません。今一度、自分自身でしっかり様子をみることと、ホームケアーの大切さを考えたいものですね。
そこで、子供が下痢をしたとき、どのタイミングで病院に行くのか、その目安と何科を受診するのかについてお伝えしたいと思います。
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下痢の種類
一言で“下痢”と言っても色々な下痢があります。
どんな下痢症状であるのかは病気の診断やその進行度のカギとなります。いわゆる「お腹の風邪」には下痢はつきものですが急な下痢症状が現れたときは急性胃腸炎が考えられます。
嘔吐を伴うことが多く子供の胃腸の病気でもっとも一般的な病気です。急性胃腸炎にはウイルス性と細菌性があります。
ウイルス性の中でも子供がかかりやすいものは“ロタウイルス”。
下痢と嘔吐が主な症状で酸っぱいにおいの白っぽい下痢便が特徴です。また、細菌性の胃腸炎では出血がみられることがあり、腐敗臭のような臭いがします。
持続性のものでは、急性胃腸炎の後遺症で一時的に乳糖分解酵素が下がることにより、乳製品の吸収が悪くなる二次性乳糖不耐症が考えられます。また、過敏性腸症候群など体質的にお腹の弱いお子さんにも下痢症状がみられます。
どんな下痢であるのかは診断には欠かせません。
水様便なのか、泥状なのか、色はどうか、出血なないか、臭いに異常は感じるかなどをみておきましょう。
まずは経過観察
消化器が未熟な子供のお腹はデリケート。
食べ過ぎ、飲みすぎや刺激物などでも下痢症状が現れることがあります。当たり前のことですが“下痢が起きた”というだけで病院に駆けつけてもその他の症状や経過がなければ医師も診断に悩むでしょう。
まずは下痢の頻度や水分の摂取量、便の様子、顔色などをしっかり観察しましょう。
刺激を与えすぎた、お腹を冷やしたなど、生活習慣を正すことで改善するような下痢症状はホームケアーで対処しましょう。下痢は消化器が上手く機能できていないことを訴えている状態です。
食事は無理せず消化の良いものを食べましょう。
わからないことがあればかかりつけの小児科に相談をしてみるとよいでしょう。
◆こんな時は経過観察◆
- 時間の経過とともに
回復傾向にある
- 脱水症状や
体力の低下はみられない
- 意識ははっきりしている
- 血便はない
- 高熱など
他の症状で苦しんでいない
様子をみて受診する場合
経過をみる中で、急激な悪化や重篤な変化がみられなくても受診をおすすめする場合があります。
下痢が止まらない・治らない
急性胃腸炎でも激しい下痢が起こりますが、半日ほどで回復の兆しが表れ一週間ほどで治ることが一般的です。
しかし、下痢の頻度が多かったり、長引く場合は合併症や後遺症などが心配です。急性胃腸炎の後遺症で起こりうる二次性乳糖不耐症は、乳製品の吸収が悪くなるために、乳製品を摂取するたびに下痢が起こる病気です。
下痢がどれくらい長引くかは個人差がありますが、回復していく兆候が見られない、または長引いている場合は、小児科や内科を受診してみましょう。
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血便
血便は細菌性胃腸炎でもみられることがあります。ウイルス性胃腸炎に特効薬がないことと違い、細菌性胃腸炎の治療の場合は抗生物質が用いられます。
細菌性はウイルス性に比べて重症化する例が多く、“O-157”も、細菌性急性胃腸炎の一つです。
血便は、何日か経って気付くことがありますが、気付いたその日のうちに小児科か内科を受診することをお勧めします。
こんな時はただちに受診
脱水症状
下痢でまず気を付けなくてはならないのが脱水症状。
下痢は嘔吐を伴う疾患が多く、体から大切な水分や電解質が失われます。軽度の脱水症状ならば経口補水液などを与えて様子をみますが、中程度から重度の脱水症状が見られたらただちに受診しましょう。
脱水症状には点滴が有効です。
緊急外来、または点滴が可能な小児科、内科を受診しましょう。
◆ただちに受診が必要な脱水症状◆
- ぐったりして元気がない、
または機嫌が悪く泣き止まない
- 涙や汗がでない
- 尿が少ない、濃い
- 唇や皮膚が乾燥している
- 目がくぼむ
- 大泉門(頭蓋骨の隙間)が凹む
黒い血便・大量の鮮血便
便から血がでるということは消化器が出血しているということです。
出血の量が多いと貧血症状が現れることも。
黒い泥状の便が出る場合は胃や腸、十二指腸からの出血の可能性があります。肛門に近い臓器で出血があると鮮血便になります。
細菌性の急性胃腸炎で血便がでることもありますが、血の量が多い場合はただちに受診が必要です。
これらの場合は救急外来を受診しましょう。
症状には個人差が!
子供が下痢になった時、どのタイミングで受診したらよいのかの目安をご紹介しました。
診療科は、緊急ならば救急外来を。緊急性がない場合は基本的にはかかりつけの小児科がお勧めです。子供の病気は症状の出方や表現の仕方に特徴があります。主に子供を診察しない内科や胃腸科よりも、かかりつけの小児科がよいのではないかと思います。
“大丈夫だろう”
“様子がおかしいけど大袈裟かな”
そんな風に観察を怠ったり、勝手な思い込みで大きな疾患の症状を見逃してしまうと大変です。症状の出方には個人差があります。おかしいと感じた時は迷わず受診しましょう。
不安だったり自信が持てない時は、かかりつけの医師に相談するなどして、子供の体を守りましょう。
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