感染性胃腸炎になると、嘔吐や下痢、苦しいですよね?
でも、感染性胃腸炎の症状は、嘔吐や下痢だけじゃないってご存知ですか?
そこで今回は、感染性胃腸炎の症状について、
- 主な症状
- 便の状態
- 腸管以外の症状
- 重症度
などを解説したいと思います。
感染性胃腸炎の症状とは?
感染性胃腸炎とひとまとめにいっても、
- 細菌
- 寄生虫
- ウイルス
など、原因が異なります。
そして、この原因が異なれば、起こる症状も異なります。
細菌が原因で起こる症状
- 下痢
- 発熱(高熱)
- 腹痛
- 吐き気
- 嘔吐
などです。
寄生虫が原因で起こる症状
主な症状は下痢です。
ウイルスが原因で起こる症状
- 下痢
- 吐き気
- 嘔吐
- 発熱(高熱)
を伴います。
ウイルス性と細菌性の胃腸炎の違いについてはこちらにまとめました。→【まとめ】感染性胃腸炎におけるウイルス性、細菌性の違い!
便の性状は?下痢になる?
血便を伴うもの
- カンピロバクター(細菌)
- 腸管出血性大腸菌腸炎(細菌)
- サルモネラ(細菌)
- 細菌性赤痢(細菌)
- 腸炎ビブリオ(細菌)
- 赤痢アメーバ(寄生虫)
高熱+水様便を伴うもの
- サルモネラ(細菌)
- カンピロバクター(細菌)
- ロタウイルス(ウイルス)
- MRSA(細菌)
白色水様便を伴うもの
- コレラ(細菌)
- ロタウイルス(ウイルス)
- MRSA(細菌)
などですが、サルモネラでは緑色便をきたします。
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感染性胃腸炎の腸管以外に起こる症状(腸管外症状)は?
また、上記で説明した症状だけでなく、腸管以外に起こる症状もあります。
- 肝膿瘍・・・アメーバ性大腸炎・エルシニア腸炎
- Guillain-Barre症候群・・・カンピロバクター
- 菌血症・・・サルモネラ・チフス・エルシニア
また、これ以外にも
- 腸管出血性大腸炎では、吐血性尿毒症症候群
- 腸炎ビブリオによる、心筋電気電動障害
- ボツリヌス菌では、眼症状・球麻痺
などがあります。
感染性胃腸炎の重症度判定は?
症状の度合いは個人差がありますが、症状の程度から重症度を判断することができます。
(出典:感染性腸炎研究会)
感染性腸炎研究会が定めた重症度判定では、上の表のように、体温・下痢(便の回数や便の性状)・腹痛・嘔吐によって、軽症・中等度・重症と判断されます1)。
そうですね。
合併症を起こさなければ予後はよいものの、中には毎年死亡例もみられます。
重症化しやすい人
- 基礎疾患がある人
- 小児
- 高齢者
などは、免疫能が低下し重症化しやすい場合があり、注意が必要です。
参考文献:
1)感染性腸炎A to Z第2版 P11
消化器疾患ビジュアルブック P91〜93
最後に
感染性胃腸炎の症状について、ポイントをまとめます。
- 感染性胃腸炎には、細菌性・寄生虫・ウイルス性とあり、それぞれ症状が異なる
- 嘔吐や下痢だけでなく、発熱や腹痛、吐き気などを伴う
- 血便・高熱+水様便・白色便を伴う場合もある
- 肝膿瘍・Guillain-Barre症候群・菌血症・吐血性尿毒症症候群・心筋電気電動障害・眼症状・球麻痺を伴う場合もある
- 体温・下痢(便の回数や便の性状)・腹痛・嘔吐によって、軽症・中等度・重症の3段階に分けられる
症状を放置すると、合併症を招きやすいため(脱水症状など)、一度病院で診断を受けていてもひどいと感じる場合は再度受診し、点滴を受けるなどの処置をオススメします。