嘔吐や下痢を伴う胃腸炎。

「お風呂に入ってスッキリしたい。」

そう思われる方多いですよね?

ただ、心配なのが同居する家族に、胃腸炎を感染させてしまわないかということ。

そこで今回は、胃腸炎のお風呂について

  • 感染するの?
  • 注意点
  • 熱もある場合

などを解説したいと思います。



胃腸炎の際はお風呂に入ると感染はする?

結論からいうと、感染性胃腸炎の場合、糞便中に大量のウイルスや菌が含まれるため、感染する可能性があります。

しかし、ストレスで胃がキリキリする、そんなストレス性胃腸炎の場合は感染の心配はないでしょう。

胃腸炎 風呂

感染性胃腸炎を引き起こす細菌やウイルスは感染力が強く、接触感染をしてしまう恐れがあります。

医師
過去に起こった、感染事例を紹介します。
感染事例 介護施設

介護施設において、胃腸炎感染者が嘔吐や失禁をしたため、浴室で体を洗った。

そして、翌日にこの浴室を利用した1名がその翌日に発症、その翌々日には11人が発症。

 

このことから、感染者が利用した浴室内にウイルス(菌)が残っており、それに触れたことで感染してしまったということがわかります。

また、症状が落ち着いたあとも、約1〜2週間は細菌やウイルスが排泄されるので1)、症状が落ち着いてからも注意が必要なんです。

その間にお風呂に入るならば、周りの人へ感染させないような対策をすることが必要ですね。

医師
では、どんな注意点(対策)が必要なのか、次で説明します。

感染性胃腸炎のお風呂の注意点

感染性胃腸炎の場合は、腸で病原体が増えるため、おう吐物やふん便が原因で感染することが多いです。

医師

次のことを守って、周りの人へ感染させてしまわないよう注意をしましょう。

  • 感染者は最後に入る
  • 先にお尻を綺麗に流す
  • タオルは兼用しない(感染者の使用したタオルは消毒をし、他の物と別にして洗う)
  • 入浴後は浴室を掃除する(浴槽・床・風呂桶・イス・蛇口など)
  • 残り湯は洗濯に使用しない
  • お湯は毎日替える

また、お風呂は汗をかくので体の水分が奪われます。

とくに下痢や嘔吐がある場合は、脱水症状になる恐れがあるのでしっかりと水分補給をしましょう。

しかし、胃腸が弱っているとき、とくに下痢や吐き気があるときは、冷たい水や一気に大量に飲むことは胃腸を刺激してさらに下痢やおう吐を促してしまいます。

白湯やOS-1などの経口補水液を利用して上手に水分補給をしましょう。

 

医師

これらのことに気をつけて、胃腸炎の熱で弱っている時もお風呂を効果的に、利用して少しでも快適に過ごしてくださいね。

では、胃腸炎で熱がある場合はどうなのか、次で解説します。

 

胃腸炎で熱があってもお風呂に入っていいの?判断基準は?

“熱があるときはお風呂はダメ”

そんなことをよく言われませんでしたか?

以前は、「熱がある時、お風呂に入ると体調が悪化する」そう言われていましたが、最近では「高熱でなければ問題ない」と言われることも多いでしょう。

それでは一体、胃腸炎が出たときはお風呂にはいっていいのでしょうか。

お風呂に入るメリット

なぜ、熱でもお風呂に入っていいと言われるようになったのか?

それは、お風呂の効果を期待できるからです。

お風呂の効果とは・・・

  • 湯船に浸かって体を温めることによって、胃腸の動きをゆるやかにし、痛みを緩和することができる
  • 体を温め血行をよくすることで新陳代謝を促す
  • 体を清潔に保ち細菌を洗い流すことができる
  • リラックス効果がありストレスの軽減になる
  • 熱を体の外に逃がすのを助ける

効果的なお風呂の入り方

では、胃腸炎で熱があるときはどのようにしてお風呂に入ったらよいのかみてみましょう。

  • 湯冷めさせない、また体力を消耗させない為に浴室や脱衣室を温めておく
  • 熱いお風呂や長時間の入浴は避ける
  • 入浴後はしっかりと体を拭き、髪を洗った場合はドライヤーで乾かす
  • 火照って汗をかいてしまわないよう厚着しすぎないようにする
  • 水分補給をする(入浴前・入浴後)

 

これで、デメリットも解決ですね

こんなときはお風呂は控えよう

お風呂に入るといいことがたくさんあるような気がしますが、そもそもなぜ“熱があるときはお風呂はダメ”と言われていたのでしょう。

それは日本の住宅事情もあり、湯冷めや体力の消耗が懸念されていたからです。

お風呂が外にあったり、銭湯まで歩いていかなくてはならなかったり、湯冷めをしやすい状況だったからです。

また銭湯などで熱めの湯船にゆっくり浸かることは体力も消耗します。

健康な時ですらのぼせてしまうことがあるのに、病気の時にはさらに体に異変を起こすリスクが高くなります。

“今も銭湯で入浴するよ”
“お風呂は離れにあるよ”
という方は同じことが言えるのでお風呂は控えたほうがよいでしょう。

しかし、そんな方は少ないですよね。ならば入っても問題ないのかというと、そうは言えません。

トイレにひっきりなしに駆け込んでいる状況ではお風呂どころではありませんし、熱でフラフラしている状況でもお風呂はとても危険です。

次のようなときはお風呂は控えましょう。

  • 38度以上の高熱で怠い
  • 悪寒や震えがひどい
  • 下痢やおう吐を
    繰り返している最中

こういった場合は、固く絞った清潔なタオルで体を拭くなどして様子をみましょう。実際、それが効果的なるのか逆効果になるかは、自分で見極める必要があります。

 

参考文献:

ノロウイルス現場対策 その感染症と食中毒P40・66