“ストレスや不安で突然お腹が・・・!!

そんな辛い症状が慢性的に繰り返されるなら、それは「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。

「過敏性腸症候群」は簡単に言うと、ストレスが原因で便異常が繰り返し起こる疾患です。“便意”ってナイーブな問題なだけに、自分だけで悩みがちですよね。

仕方のない事なんですが、トイレに駆け込むのはスマートじゃないですし、相手があると何度も席をはずすのは気がひけます。仕事や生活に支障があるのは大変つらい事です。

体質だからとあきらめずに対処法を知って改善に向かって進んでいきましょう。

今回は、そんな下痢型の過敏性腸症候群にお悩みの方に、その仕組みと対処法についてご紹介したいと思います。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群とは、ストレスを原因として下痢便秘を慢性的に繰り返す疾患です。

症状は、下痢や便秘だけではありません。

主な症状は・・・

  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛
  • お腹の張り
  • なんとなく気持ちが悪い(不快感)
  • お腹が鳴る

などです。

敏感性腸症候群にはその症状により大きく3つに分けられます。

 

過敏性腸症候群のタイプ

  • 軟便、水様便がみられる「下痢型」
  • 水分の少ない硬い便やコロコロとした便がみられる「便秘型」
  • 下痢型と便秘型がみられる「混合型」

 

日本人の5~10人に一人は当てはまるだろうといわれており、誰でもなりうる疾患です。

不安が強くなると、お腹の調子が気になって、自由にトイレに行けない場所を避けるようになったり、食事をとるのが億劫になったりと、日常生活支障をきたす場合もあります。仕事レジャーに十分集中できない、楽しめないとなると、生活の質も下がり、ますますストレス過多に陥ってしまいます。

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下痢型過敏性腸症候群の下痢になる仕組み

消化器官ストレスは深いかかわりがあることは広く知られていることですね。しかしなぜ、ストレスが胃腸の調子を悪くし、便異常をも起こしてしまうのか、その仕組みはどんなものでしょう。

そのメカニズムを知って原因を撃退しましょう。

下痢の正体は「セロトニン」の増加

下痢性過敏性腸症候群の憎き下痢症状の原因、元を辿ればそれはストレスです。しかし、ストレスがどうして腹痛下痢につながるのか。

それは、ストレスによって分泌される脳の神経伝達物質「セロトニン」の働きにあります。

セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンと並び「三大神経伝達物質」と呼ばれておりドーパミンやノルアドレナリンの働きをコントロールして精神を安定させる働きがあります。

セロトニンと聞くと精神疾患で良く耳にする言葉だと思う方は多いのではないでしょうか?

実はセロトニンの約90%は腸で分泌されているのです。ストレスと腸の深いかかわりは、こういったことから生じるのですね。

ストレスによって分泌されたセロトニンは腸内でセロトニン受容体と結合します。そして、腸のぜん動運動を必要以上に活発にさせ、それが下痢となってしまうのです。

下痢型過敏性腸症候群の対処法は?

下痢がおこる仕組みはご理解いただけたでしょうか。

そう、セロトニンを増やしすぎなければ異常なぜん動運動を防げるのです。しかし、セロトニンを増やしているのは、ストレスです。

ストレスの原因を取り除くといっても環境や生活習慣を変えることは、なかなか容易ではありません。

セロトニンを抑える薬ラモセトロン

そこで、対処法として服薬があります。セロトニンを遮断する薬「ラモセトロン」です。

ラモセトロンはセロトニン受容体を選択的に阻害することにより、消化器官の異常から起きる下痢や便異常を改善してくれます。また、セロトニンの仕業で痛みが伝達されるので、腹痛の痛みや内臓の痛みに敏感になっているのを緩和できます。

ストレスが下痢になり、下痢がまたストレスになる・・・というような、症状と不安の悪循環に陥ってしまったら専門の医師に相談して服薬を考えてみるのも一つの方法です。

ストレスを解消をする

服薬で改善は望めますが、いつまでも薬に頼りたくはないですよね。そもそもの原因であるストレスを撃退しなければ完治は難しくなります。

生活習慣の改善ストレス発散は意識して行いたいものです。

ストレスをコントロールするのに不可欠なのは規則正しい生活習慣です。

睡眠適度な運動は体の免疫力を高め、またストレス発散にも効果があります。心がリフレッシュすることでストレスに強い体になっていきます。

毎日忙しいと、趣味に没頭する時間を確保するのも一苦労ですが、意識して自分の時間も大切にして気分転換をしていきましょう。

 

下痢型過敏性腸症候群の対処法

  • ラモセトロンの服用
  • 規則正しい生活習慣
  • 運動や趣味などの適度な気分転換

 

対処の要はセロトニン

ストレスが原因でなる腹痛下痢仕組みとその対処法についてご紹介しました。

対処のはセロトニンです。

セロトニンを正常に分泌し健康を保つにはストレスは大敵です。

規則正しい生活習慣と気分転換は心と身体をリセットしてストレスに強くします。

上手にストレスと向き合えるよう生活習慣を見直してみましょう。それでも不安緊張から抜け出せないときは服用をきっかけとして改善していくことが必要な場合があります。

専門の医師のアドバイスをうけて処方してもらいましょう。

日常生活のクオリティーを保つためにも、早くこの辛い症状を改善したいものですね。